もどる








  ウラジオストックで開かれていた環アジア・太平洋諸国を対象とした第6回国際映画祭「太平洋子午線」がこのほど閉幕しました。

審査結果の発表
ウラジオストック市はこの映画祭の一週間、アジア太平洋諸国の映画の都と化しました。
閉幕式は恒例となったシネマコンプレックス「オケアン」が会場となりました。著名なロシアや諸外国の俳優、映画関係者をひと目みようと「オケアン」のエントランス階段には市の招待客やウラジオストック市民が多数つめかけました。会場の参集者たちの興奮のるつぼとなった「オケアン」のメインホールで授賞式が行われました。映画祭の審査結果の発表は時を移さずはじまり、舞台へと上っていく審査員たちの表情からは、この7日間実に多くの議論を重ね、遂には合意に達したことが読み取れました。映画祭のグランプリはインドの映画監督シバージィ・チャンドラブフシャンの作品「フローズン」でした。今年の知事賞にはアメリカの映画監督アドリアン・ベーリフの作品「チンギスハーンのブルース」と「ビヨンド・ザ・コール」が選ばれました。
この賞は第1回「太平洋子午線」映画祭において知事がモスクワ-ウラジオストック間の9288キロメートルには7つの時間の帯がひろがっていることから「9288キロメートル」賞が設けられたことを思い起こしてください。フェスティバル参加国は数百、数千キロメ
ートルの帯に分けられ、今回のそれは24にひろがりました。この賞の授与にはセルゲイ・ダールキン知事が妻でありロシア功労芸術家のラリーサ・ベロブローヴァさんとともに自ら手渡し「この受賞作品は政治的なものではありません。これは力強いドキュメンタリー映画であり、多くの劇映画よりも力強い感情を呼び起こすものです。まさに本当の自由とは何かについてのフィルムなのです」とラリーサさんが祝いの言葉を述べました。

審査員の桃井かおりさん

受賞女優の挨拶
最優秀短編映画作品賞にはロシアのアレクサンドル・コット監督作品「魚」が選ばれました。アジア太平洋諸国からの映画祭受賞者には、ブリイアンテ・メンドーサ監督のフィリピン-フランス合同作品「セルビス」があり、彼は最優秀監督賞を授与されました。最優秀女優賞を独り占めしたのは同映画の女優ジーナ・パレノ、また男優賞にはカナダのマクシム・デジャルディン・トレンブレが、審査員特別賞はアナイス・バルボ監督が、ウラジオストック市賞にはニコライ・ホメルキ監督、クリスチャン・ディオール賞にはニュージーランドのシーマ・ウラーレ監督作品「コーヒとアラー神」、ユル・ブリンナー賞にはアレックス・リヴェラ監督のアメリカ-メキシコ合作映画「眠りの商人」がそれぞれ獲得しました。映画祭の観客が選んだのは自国のレオニード・ルイバコフ監督の「レオよ語れ」でした。
このウラジオストック映画祭には140名以上のロシアと諸外国から来た映画人らが参加し、コンクールにはアジア太平洋諸国15ヶ国に及ぶ長編10作品と短編映画9本が参加、その他のさまざまな映画フォーラムへの参加作品はあわせて24ヶ国150本の映画が寄せられました。第6回「太平洋子午線」映画祭はすでに歴史そのものとなりました。
ルポルタージュ エレーナ・レオーノバ
訳 扇 進次郎




もどる