ロシアの太公望たちが、大自然の中で氷上魚釣り
〜1メートルにもなる結氷の海で〜


冬の氷上での魚釣りはロシアではとても人気があります。この魚釣りは、沿海州では12月に始まります。たくさんの太公望たちがアムール河の入り江の氷の上に何時間も粘りつづけます。こういった光景は、ウラジオストークでは毎年おなじみのものです。氷の厚さは40センチから最大1メートルにまでなり、ジープでかなり遠方まで海上を遠出する人もいますが、彼らに襲いかかるものは何もありません。
大寒波も、突き刺さるような風もなんのそのなのです。ここで一番肝心なのは、冬の氷上の魚釣りに行くためには、普段から釣竿の糸をきちんと確認して、餌とルアーを点検し、成功に向けてすべてを事前準備しておくことです。冬の氷上の魚釣りは、夏の魚釣りよりもずっと楽しいのものです。堅く凍った氷の下にいる魚は、夏のようにびくびくしていないのです。この
魚釣りの成功を目指す人たちは、皆たくさんの魚をうまく釣り上げて帰路につきます。大漁の日には、なんと3キロもの魚が釣れることがあります。冬の魚釣りでは、コマイ、キュウリウオ、オオカミウオ、カレイなどの戦利品を勝ち取ることができます。そして、冬の氷上の魚釣りは、差し迫った生活の必要のためにするものなのではなく、何よりも、まず、普段の様々なストレスを解消し、心を再活性化することであり、冬のロシアの大自然の中でのとても贅沢な休息なのです。氷の上ではありとあらゆる年齢の、様々な職業の人びとと出会うことができます。皆はそれぞれ何時間も自分の趣味についてのおしゃべりを楽しみます。しかしな
がら、このお楽しみは、気温が暖かくなるにつれて、極めて危険なものとなってしまうのです。人が死んでしまったり、氷の下に車が沈んでしまうことがよくあるのです。しかし、そんなことがあっても、冬の間中毎日、何百、何千もの太公望たちが、大漁を夢見て、長い道のりを釣り場へと向かいます。
(ウラジオストーク通信員エレーナ/平成19年2月13日)




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