伝統的日本家屋で本物の文化、芸術を紹介

ムーザサロン

 


片山ふえさん

 様々な国の文化を日本に紹介、また日本の本物の文化を外国に紹介し続けている人が大阪にいる。片山ふえさんがその人。
 枚方市にある自宅を改造し、仲間が気楽に集える場「ムーザサロン」を開いて十年が経つ。伝統的日本家屋を大胆にリフォーム。天井を取り、間仕切りを取って部屋の空間を広げた。太い梁が堂々と姿を見せ、荘厳な雰囲気。新建材は使わず、あくまでも自然の材料にこだわった。そのためか、ここに座ると何とも落ち着く。
 ムーザサロンでは国の内外から画家や音楽家を招き、個展やコンサートを開く。片山さんの専門分野がロシア語であるところか


ムーザサロンの玄関

ら、ロシア、ウクライナ、キルギスといったCIS諸国の芸術家との交流が多い。また大型スクリーンを使って映画上映会なども行う。片山さんの文化、芸術を見る目は鋭く、これこそが本物だというものしか行わない。
 ウクライナの画家、オリガ・ペトロワさんの個展は印象的だった。オリガさんは日本滞在中、昼は日本の風景を見て歩き、夜は創作活動。その連続。次々と作品を作り上げていく。そのエネルギッシュな姿は見たことがない程すさまじい。出来上がった絵はどれも素晴らしく、見る者の心を捉えた。


加賀丈子
(ともこ)・津軽三味線&滝川佳宏・和太 鼓
「和の響き」(2006年11月)

 グルジアのチェリスト、ギア・ケオシヴィリさんのコンサートは迫力があり、聞く者の心を打った。また、文豪ドストエフスキーの曾孫、ドミトリーさんの講演会など珍しくしかも質の高いイベントが次々行われる。
 日本文化紹介の代表的なものは、書家、森本龍石さんの作品をロシアやウクライナの美術館等で展示していることだろう。日本の書と現地の芸術家のコラボで新しい芸術の分野が開けている。
 片山ふえさんは大阪外国語大学ロシア語学科出身。通訳や翻訳でも活躍している。


関西歌劇団のホープたち
清原邦仁(テノール)&吉岡仁美(ソプラノ)(2007年6月)

 ムーザサロンの問い合わせはメールで片山さん(fue@plum.ocn.ne.jp)へ。最寄り駅はJR学研都市線長尾駅。

《これまでの主なイベント》
ギア・ケオシヴィリさんのチェロコンサート(2003年4月、2007年10月)
林佳勲さん(中国のピアニスト)のコンサート(2003年6月)
「四季 遊牧」映画会(2004年3月&5月)
ピョートル・リャーギンさん(ロシアの桧舞台で歌ってきたバリトン歌手)のコンサート(2004年6月)


歌うエレーナ・グレベニューク


オリガ・ペトロワ画伯(ウクライナ)の絵の鑑賞会
エレーナ・グレベニュークさん(ウクライナのソプラノ歌手)のコンサート(2005年6月)
ZANDENの音を聴く会〜世界的に有名な手作りの名器オーディオを聴く会(2005年11月)
本多立太郎さんのお話の会(2006年3月)
ユリスタンベク・シガーエフ画伯(キルギス)の絵の鑑賞会(2006年9月)
ガガ・コヴェンチューク画伯(ロシア)の絵の鑑賞会

 

 

 小野元裕  写真 片山ふえさん提供  2008.1.30記
 



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