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〜対馬沖海戦が取り持つ江津市民とロシアの縁〜


6月1日(日)島根県西部の日本海沿いの町・江津市和木町には日露の国旗が町中に華やかに飾られ、ウラジオストークからの代表団歓迎のため、田中増次市長をはじめ、保育園児、小中学生、その他老若男女市民多数が集まり“ロシア祭り“と称して様々な歓迎行
事を行い、交流を深めました。
和木公民館で代表団を歓迎する市民

今から103年前の明治38年5月27日、日露戦争の雌雄を決した対馬沖海戦が行われ、翌日島根県江津沖約4キロの地点までバルチック艦隊所属の運搬船イルテイッシュ号が辿り着き、そのまま沈没し、現在も海底深く眠っています。そして、沈没直前に白旗を掲げて235名の敵将兵が続々上陸しましたが、村民たちは従順に降伏する彼らを人道的に救助して、手厚く看護し、それぞれの自宅に民宿させて、翌日無事全員捕虜として陸軍に収容されました。そのときの人道的対応にロシア兵や海軍が感謝し、それが縁となって100年の時を超えて、“ロシア祭り”として延々と友好交流の火が燃え続けています。
公民館ホールではトウルモフ・ゲンナージー極東工科大学総長(団長)の感謝の言葉に続き、保育園児の可愛いい踊りや、市民の大正琴演奏などが次々行われ、交流会は大きく盛り上がりました。

また、島根県では官民ともにロシアとの経済文化交流にとても熱心で、隔年に開催されるウラジオストーク・ビエンナーレにも積極的に参加を続け、今年7月には独自に経済交流を目指す島根フェアーを開催し、同時に”石見神楽“ウラジオストーク公演を予定しています。対岸貿易にも熱心に取り組んでおり、中古自動車大量輸出(年間100億円以上)、野菜、果物、建設資材などの輸出商談も次々まとまっているとのことです。
(記事執筆は岩佐毅/日露ビジネスセンター代表)




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